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黄金のアデーレ 名画の帰還のkarmapoliceのレビュー・感想・評価

4.0
サイモン・カーティス監督ヘレン・ミレン主演2015年作品。グスタフ・クリムトが描いた「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 I」(1907年作品)を巡る裁判をマリア・アルトマンの実体験をベースに描かれた作品。

ナチスのオーストリアにおける歴史的背景やオーストリア政府を相手にした裁判など、重たくなりそうな内容を多分に含んでいるが、これは観易くて楽しめた。実話ベースでありながらけっこう上手く脚色されていて、作品として気軽に入り易いタッチなのが良かったと思う。

そしてマリアに扮するヘレン・ミレンの演技が圧巻だったと思う。何だか説得力を感じてしまう(笑)ライアン・レイノルズも意外にやや弱そうな若手弁護士を好演している。音楽もなかなかいいなと思っていると、やはりハンス・ジマーだった。

エンディングで絵画、ランディ、そしてマリアのその後が紹介されるとともに、ナチスの収奪した10万点にも及ぶ美術品の多数が返還されていないことも示されるが、 どちらかと言うとドキュメンタリーではなく大人のエンタメとして楽しんだ方がいい様な気がした。

クリムトの代表作が美しく映し出されていたので素直に感動!いつか実物を観てみたいものだ(笑)
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