小一郎

完全なるチェックメイトの小一郎のレビュー・感想・評価

完全なるチェックメイト(2014年製作の映画)
3.4
冷戦時代、アメリカとソ連の代理戦争よろしくチェスで対決する天才の物語。アメリカ人の挑戦者、ボビー・フィッシャーがソ連の世界チャンピオン、ボリス・スパスキーに挑む。主人公はボビーだけど、この人イカレっぷりが凄い。

劇中、チェスの手の先を考えると、天才ほど精神的におかしくなるという話が出てくる。本当かなあ、と思うけど、この映画は実話が下敷きになっているので、本当なのだろう。天才は妄想や幻聴にとりつかれ、普通の人からは異常に見える。

しかし、凡才はマジョリティーだが、天才はマイノリティー。天才に知覚できて、凡才にできないことが、どうして異常だと断言できるのだろうか、ということが気にはなった。

とはいえ、この映画、正直言って、何が言いたいのか、イマイチ良くわからない。観客は凡人だから安心して欲しい(天才は大変だ)と言いたいのか、チェスの試合の一手がビックリするくらい凄かったと言いたいのか、ソ連に勝ったアメリカ万歳、と言いたいのか。

ひとつわかることは、マイノリティーは映画(物語)になるということ。確かにキャラクターは面白い。天才は逃げたりしない。自分の主張がはっきりとしていて、やりたくないことはやらないだけなのだ。あーっ、映画になるような人間でなくて良かったー、と安心することにしよう。