Kurita

完全なるチェックメイトのKuritaのレビュー・感想・評価

完全なるチェックメイト(2014年製作の映画)
3.6
早熟の天才が栄光を掴んでは転がり落ちてく話は、ブライアンウィルソンやシドバレットなど良くある話だけど、
チェスを舞台にしての実話が成り立ったのは冷戦という時代背景があったからこそ、愛国心が後押ししたからこそでしょう。
ずっと世界を相手にしてきたボビーフィッシャーがスパスキー戦を前に"数ヶ月前には無名の青年"といわれ、ロックスターに例えられてしまうように。

ブライアンウィルソンは帰ってきたけど、ボビーはそのまま落ち続けて。
結局、決戦の地へ栄光の地へ戻ってく過程がサラッと描かれるのがなんとも哀しいのです。

映画本編は神経を侵されていた彼の感覚を体感できるような音と空間の演出が、居心地悪く、つまり良く出来ていて、音楽映画としても面白く観れました。

人知が及ばない領域に達する知性を誇る彼が、バカな自分でも破綻してると判る福音派の説教に傾倒していくのは、育った環境によるものなのか?
理解できない天才を描く作品としても、惹きつけられましたよ。