えんさん

キング・オブ・エジプトのえんさんのレビュー・感想・評価

キング・オブ・エジプト(2016年製作の映画)
4.0
2Dの字幕版にて。

神と人が共生する古代エジプト。神々を讃える石像やピラミッドが建ち並び、生命の神オシリス王の統治のもと、繁栄を誇っていた。新しい王として、オシリスの子・天空の神ホルスが戴冠を行う日、オシリス王の弟である砂漠の神セトが王を殺害してしまう。王座が強奪され、国内に混乱が広がる。多くの民が苦しめられる中、妻の命をセトに奪われた盗賊ベックはセトとの戦いに破れ、神の眼を奪われたホルスと組み、妻を取り戻そうとするのだが。。「アイ,ロボット」のアレックス・プロヤス監督による冒険ファンタジー。

予告編を見るだけだと、結構大味なアクションかと思いましたが、これが拾い物というか、とても面白い冒険活劇でした。僕は昔からギリシア神話などの人と神が交わる物語が好きで、映画でも、「タイタンの戦い」や「インモータルズ 神々の戦い」、ちょっと毛色が違うけど、マーヴェルものの「マイティ・ソー」なんかも結構好きだったりします。こうしたアクション映画の構図としては、弱い人間と、力強い神々がいて、物語として弱いと思われている人間の力で、正義が勝っていくという形が定番。定番と思いながらも、この神の描き方がすごく力強くて、いろいろな神が出てくるだけで結構ワクワクします。本作も、冒頭からホルスやセトの変化<へんげ>を魅せ、ガチのバトルを繰り広げるなど、神のパワーは力強いんだぞ!!というところをすごく見せてくれる。これだけでもすごく楽しいのです。

正直、本作はこうした神と人間との共生した世界でのお話だとは思いませんでした。期待がなかったのも、そうしたことが予告編で伝わらなかったからでもあり、それには少々宣伝の仕方を考えたほうがいいかなと思います(笑)。いろいろなパワーを持つ神々がスクリーン狭しと登場し、ペックとホルスという人間と神とのドタバタコンビの冒険を盛り上げてくれるのです。このめくるめくさはとても手に汗握るし、久々に王道エンタメ冒険劇を観たなという満足感に浸れます。話の中身的には正直全然ないのですが、この楽しさがあれば、そんなことは全然気にならない。3Dだともう少し面白い演出があったかなとも思うのですが、「ゴーストバスターズ」同様に、この作品も3D字幕での公開が少ないので、このあたりの興業ももう少し考えてくれないかな、、と思った作品でした。