塩犬

リグレッションの塩犬のレビュー・感想・評価

リグレッション(2015年製作の映画)
3.5
証拠が出ない事件、裁けるか。

エマ・ワトソンが出ると聞いて視聴。
悪魔崇拝だとか、儀式だとかの話題に引っ張られているけど、どちらかと言うと「情報の洪水」「マスメディアの横行」「信じること、疑うこと」にスポットを当ててみるととても魅力的な作品だったんじゃないかなと。昨今、メディアが多様化しているという背景を元に、今回で言う「悪魔崇拝」は広まっていたり、話題になっているのではと考えさせられる。情報の取捨選択を誤ってはいけない。そういう社会であり、その能力が必須となった時代なのかもしれないと感じた。
「ゴーストストーリーズ」でも感じた「信じて見ている自分の視点」に疑問を投げかける作品で、悪魔崇拝はあるのか誰が犯人なのかに視点が捕われることで見事にクライマックスで裏切られる。ただ、そうするには少し大胆な伏線が盛り込まれていて、クライマックスでの「そうだったのか!」感は薄い。
想像がし易い物語構成になっていたが、役者陣の演技力は良い。イーサン・ホークの鬼気迫る演技はホラーなどとはまた違った鳥肌の立つ、こちらも不安になるような名演だった。エマ・ワトソンの可哀想なヒロイン感は、今までの気の強いヒロインのイメージから脱せていて、他にもたくさんのキャラクターを今後演じていってほしい。
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