悪魔が出てくるホラーかと思わせ実は真面目なサスペンスと言うオチのギャップが爽快で、世間の評価は高くないようだが個人的にはツボにはまった作品。
記憶の曖昧さや思い込みの恐ろしさをホラーと言う形を借り実に上手く表現している。一見複雑な関係もオチが分かるとスッキリ納まるのも良い脚本だ。
1990年にまだ悪魔を信じている人がいたことにも驚くが、現代でも「神を信じない」と言っただけで総攻撃を受ける国の方が多い世の中なので、30年前のことを笑えないだろう。ま、神も悪魔もやっていることはほとんど同じってことだ。
宗教が政治の道具であることを認めたくない人、気付いて欲しくない人が大勢いるので、宗教がない平等で平和な世界になるにはまだ長い時間がかかるのだろう。
などと愚痴をこぼしたくなるが、映画はオチを知ってからもう一度観直したくなる良作だ。