#157-2015/6/17
デンマーク発の育児問題を扱った非常に見応えある一本だった。
正義、倫理観や善と悪、自分ならどうする?と問いかけられ続けられ、やはりこういうのを見終わったあとは体がぐったり疲れる。
愛する妻と子供と幸せ生活を送っていた刑事アンドレアスは、突然子供を失ってしまう。自分の倫理や道徳と葛藤しながらも、以前目の当たりにした育児放棄されている子供と取り替えることを決心したが、、、
子供のすり替えがバレるかバレないかというサスペンスの見方もできるけど、自分の善と悪の境界線を彷徨う男のヒューマンドラマとして見るべきだと思う。サスペンスだとあるべきではないシーンもあるから。
見てみるとわかるのだが、すり替えを決定づける原因も含めアンドレアスも被害者なんだと思った。そして後に起きる事件と判明する重大な真実。それらが彼をさらに暗闇のなかを彷徨わせる。
ドラマだからこそ他にも入れられたシーンもあるわけで、例えば同僚シモンのエピソードやすり替えられた母親サネの描写。個人的にはシモンのエピソードは好き。
最後の最後エンドクレジットまでゆれる水面をはじめ、冒頭から心落ち着かない映像や時折アップになる人物たちの顔、監督の腕をたっぷり堪能できる映画だった。
ラストは救われたんだと信じたい。