「64」
昭和64年という、わずかな間に起きた誘拐殺人事件。
止まってしまっていた関係した人間の時間。
止まる事で淀み濁っていた警察組織や無力だった記者、十四年苦しみ続けた被害者。
それぞれの時が昭和64年から動き始める。
知り合いの方が貸してくれたので鑑賞しました。
映画化の話が出た時に前後編とはいえ果たして可能なのだろうか…
と思いましたが、やはり厳しかったなというのが私の感想です。
ボリュームがある作品なのでしょうがないのですが、テンポが早過ぎた感じ。
もっと描写して欲しいところも多かった。
個性的な役者さんが揃っているので、人物の把握がしやすいのは良かったと思います。
しかし、それが私には諸刃の剣でした。
ここからは、あくまで個人的な意見です。
私の横山秀夫さんが好きなところ、それはリアリティなんです。
なかなか自分の長所を出しづらい日本の会社組織。
その中でも、公的な職場とくればその最たるものでしょう。
そんな組織で、必死に自分の居場所を守りながら組織も守っていく。
組織が自分を守ってくれるとは限らないとしても。
そんな彼らが一人の社会人、家族の中の一人になったときの弱さ。
そこに悲しい魅力を感じる。
そう考えると…重厚感は確かにあるんですが、役者さん達の演技が上手すぎる。
上手すぎるから、ドラマティックになり過ぎてる。
主人公の三上。
強面な父と元県警一の美人婦警だった母を持つ為に容姿にコンプレックスを持ってしまう娘との軋轢。
佐藤浩市じゃ〜普通に渋くてかっこいいじゃないか!
NHKドラマではピエール滝と木村佳乃だったようですが、そっちの方が私はイメージ通りですね。
とはいえ、これだけの芸達者が集まっているのですから後編はどうなるか?
楽しみではあります(´∀`)