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64 ロクヨン 前編のおたばのレビュー・感想・評価

64 ロクヨン 前編(2016年製作の映画)
4.0
後編に確実な期待を残し、前編だけでも面白い

話題作借り

年号が平成に代わる寸前
わずか一週間程あった昭和64年。

この間に身代金2000万円の女児誘拐事件が発生する。

刑事部は全力で、捜査に尽力するも
身代金は喪失、加えて誘拐された女児は
スクラップ場の車のトランクの中で帰らぬ姿で発見された。

時は流れて平成14年。
幻の昭和64年に起き、終幕したこの事件をロクヨンと呼ばれ
時効まであと一年と迫るある日

当時刑事であった三上は県警の広報官として職務に当たっている。
記者クラブに対する匿名の情報提供に記者クラブとは対抗状態となっていた。
そんな中警察庁本部から本部長がロクヨン事件の慰霊訪問を予定しており
事件の被害者、雨宮に承諾を得るよう指令が渡される。

時を同じくして娘が家出、一向に連絡の取れない三上は
64事件と改めて対峙していくこととなる。

本作、前編は

警察の隠蔽という焦点を抱えながら
三上率いる広報と、記者クラブの対立が主な舞台となっており
この中で気が付けば組織に染まってしまっていた
三上自身の心理描写や、広報部の内情をメインにしたドラマとなっている。

こういった葛藤は少なからず何かの組織に関わる人間であれば
大なり小なり抱えるような問題でもあり、
三上の葛藤具合が印象に残りました。

64事件が直接的に関わるわけではないですが
後編をより楽しむ為の重要な下ごしらえをされた前編だと思います。

おすすめ度は67点
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