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64 ロクヨン 前編の鰯のレビュー・感想・評価

64 ロクヨン 前編(2016年製作の映画)
4.0
日本俳優顔相撲

たった1週間の昭和64年に発生した未解決の少女誘拐事件「ロクヨン」。刑事として捜査に関わった三上は、14年経った現在警務部広報へと異動していた。記者クラブとの対立や署内の対立に振り回される中、時効が1年に迫り事件は新たな展開を見せ始める

本当に顔相撲で、主演は勿論のことパッと出てくる記者や署内の他の課の人々まで、みんな顔がいい。とにかく表情にリアリティがある。ベテラン俳優陣の顔は14年という時間の経過を含めて重みがある。この表情を生んだ役者さんも、顔相撲を中心に据えた監督の判断も素晴らしかったと思う
佐藤浩市さんは、流石としか言いようがない。出ずっぱりなのにどの表情もすべて違う
奥田瑛二さん、小澤征悦さんの成り上がり感、仲村トオルさん、椎名桔平さんなど、政治ドラマ感溢れる表情も好き。滝藤賢一さんも最高
窪田正孝さん、吉岡秀隆さん、綾野剛さん、榮倉奈々さんなど関わる警察陣も素晴らしい。窪田さん本当に好き
芳根京子さんはほとんど顔見えないのにそれでもいい目をしてて、一瞬で引き込まれました
マスコミ陣は、坂口健太郎さんが少し浮いてた印象。あの人だけ記者クラブの中で「汗臭くない」イメージがありました
その他、金井勇太さんの表情が本当に良かった。終盤に素晴らしい表情が見られた。宇野祥平さん、嶋田久作さん、芹澤興人さんなど一瞬映ったときにいい表情してる俳優さんからも目が離せません

脚本も説明を一切省いており、それが表情に専念させてくれて良かったです。

唯一気になったのは、「閉じこもっている」ことを示す演出が少し過ぎた感じがしたことでしょうか
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