エイプリル

怪物はささやくのエイプリルのネタバレレビュー・内容・結末

怪物はささやく(2016年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

少年コナーの鬱屈としたストレスを語ること (ナラティブ) によって解決するというストーリーラインの映画でした。
映画の中で起きている出来事はさほど起伏に溢れたものではなく、母親の病状が徐々に悪くなりそれに少年が向き合うというものです。ですがここに怪物の派手な登場シーンやアニメーションで描かれる物語が加わり、現実で起きている出来事以上の印象を残してくれます。
スタッフロール直前の静寂も心地よい余韻を残してくれ、非常に良い映画でした。
難解な映画という評価もされているようですが、「怪物の正体は祖父」ということだけ理解できれば物語の構造は非常に単線的で、特に難解な部分はありません。「ナラティブ」がテーマになっているようでしたので、映画の内容が実は少年がナラティブを通して再構成した過去の語りだったのかなと思いながら見ていたのですがそこまで複雑な話ではなかったようです。
また、最終的にコナーは「罪を自覚しているから罰を受けたい」という願いがあることが分かるのですが、しかしそれまでの彼の行動は異常なまでに鬱屈として攻撃的です。そのため、彼に感情移入できずずっとモヤモヤした感じを抱きながらの鑑賞でした。
パッと見てパッと理解できるエンタメ映画ではありませんが、彼の心のうちを色々と想像する上では非常に楽しめる映画でした。
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