SPNminaco

怪物はささやくのSPNminacoのレビュー・感想・評価

怪物はささやく(2016年製作の映画)
-
いきなり本題!って入り方のまま、定められたゴールへと1つ1つ段階を踏んでいく構成なので、一見唐突な「怪物」と「物語」がわかり易くはあるのだけど、最初からそういう話だとわかりすぎる気もする。主人公コナーが囚われた罪の意識とそのセラピー的過程を、ある意味正しく解説されているような感じなのだ。子供の視点で容赦なく辛い現実を体験しつつ、同時に大人の視点でそれを癒そうとする。映画は最終的にカタルシスへと導かれるのだが、たぶん小説でじっくり想像力を働かせる方がよりヒーリングを実感できそうな。
とはいえ、タイトルバックや劇中アニメ、イラストの数々は本当にゴージャスで美しい。そして、デイン・デハーンをそのまま子供にしたようなルイス・マクドゥーガルくんが文字通り心の痛みと格闘する様は、あまりにも痛切。リアルに鮮やかに子供心を語りつつ、そんな心情は大人でもあり得るものだ。一方で、解説書的に感じるのは、怪物が核心を喋りすぎるせいかもしれない。
SPNminaco

SPNminaco