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怪物はささやくのぴよぴよのレビュー・感想・評価

怪物はささやく(2016年製作の映画)
3.8
大好きなダークファンタジー✨
"パンズラビリンス"にも"シェイプオブウォーター"にも通じる世界観に引き込まれてしまった。

少年の夢には12:07になると不思議な怪物が出現する。それは木の精か?はたまた怪物か?少年の妄想か?

母子家庭の少年…母は重い病を患い、祖母との生活を余儀なくされる。自分を引き取って欲しい父は遠いアメリカで新しい家族と暮らしている。

学校ではイジメにあい孤独…絵を描く事だけが楽しみの少年🎨

まるでその絵の中から抜け出たような怪物は、不思議な物語を少年に語って聞かせる。

それは人生の寓話か。示唆に富んだその物語は、生きる事の難しさ、人の気持ちの移ろい易さを少年に指し示す。

気持ちをうまく伝えられないもどかしさ。母への恋慕、祖母への苛立ち…全て含めた少年の思いは怪物に託される。

少年役ルイスマクドゥーガルの繊細な雰囲気がこの物語にとてもよく合っている。イジメの相手を見返す目の鋭さも。

不治の病に侵された母親役フェリシティージョーンズの童顔が切なくて哀しい。

スケッチブックを見るラストシーンは、少年を母の…そしてもっと以前の過去へと遡らせる。

リーアムニーソンのささやきがダークファンタジーの怪物に命を吹き込む。あなたは少年の…✨🌳
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