怪物はささやくの作品情報・感想・評価 - 4ページ目

「怪物はささやく」に投稿された感想・評価

人が生きていく上での、理想像と、自己認識の違いの心理的葛藤を受け入れ、少年の心理的成長。

大病で、母の余命が幾ばくもない事を知りつつ、きっと良くなると表面上は、言いながら、しかし心の奥底では母は助からない事、その悲しみから逃げ出してしまいたい、一刻も早く楽になりたい、その為、自分は母の死を無意識的に望んでいるのではないかと、自らにおののく少年。
大人であれば、その気持ちに折り合いをつける事もできるであろうが、コナーはまだ13歳故、その自分を受け入れる術を持たない。
その為、級友を挑発し殴られると言う無意識な自罰行為、暴れて部屋をめちゃめちゃにするという破壊衝動で内なる自分と折り合いをつけようともがく。
大人にならざる負えない少年のその様が、胸を打つ。

誰もが持っている負の感情に向き合い、受け入れ、人の多面性に気づく。
大人になるプロセスだが、初めて「それ」に接した少年は、とまどい、恥じる。負の感情を怪物になぞらえ、反発から徐々にその声に耳を傾け、やがて向き合う。

ダークファンタジーかと思いきや、成長譚として、非常に丁寧に描かれた傑作であった。
久々に色物じゃない、シガニー・ウィーバーが観られて良かった。

少年の揺れる心が切ない。
よっこ

よっこの感想・評価

3.6
独特な世界観。。
ちょっと理解するのに、時間かかった。
でも映像とか凄くステキだった。
凛太朗

凛太朗の感想・評価

4.8
パトリック・ネスによる児童文学小説を映画化したダーク・ファンタジー。脚本もパトリック・ネスが担当。

病魔に侵された母親のエリザベス(フェリシティ・ジョーンズ)と共に暮らす孤独な少年コナー(ルイス・マクドゥーガル)は、夜な夜な悪夢に魘されていたのだが、ある日の12:07に樹木の姿をした巨大な怪物(声:リーアム・ニーソン)が現れ、「私が三つの物語を語り終えたら、4つ目はお前が話せ。真実を語るのだ。」と囁き、それから怪物は一つずつ物語を語っていくのだったが…。

3年近く前に、最愛の母を癌で亡くし、その半年前には祖父も亡くしてる私にとってこの映画は、当時の今際の際や闘病生活どころか、今現在に至るまでの気持ちを代弁、或いはアンビバレントな複雑な感情に立ちはだかると共に、寄り添い、励まし、背中を押してくれるような、そんな素敵な映画です。
コナーをはじめ、主要な登場人物たちの心情を思うと、心象風景としてダークファンタジー色はもう少し濃いめで暗い方が、よりリアルなのかなとも思いますが、あの怪物がどうして生まれ、何をするために現れたのかと考えると、それは決してネガティブなものではなくポジティブなものだと思うので、これくらいのテイストで逆によかったのかなと思います。

怪物の語る三つの物語と、コナーに語らせる真実の話し、これはどれも違うような話のようでいて、全てコナーの中にあるアンビバレントな感情を表し、現実から目を背けさせないためのもので、これが凄く共感できるんですよ。
子供だろうが大人だろうが、人間そんな単純なものじゃないですよね。二面性もあれば矛盾もありますよ。
都合のいい嘘は信じても、都合の悪い真実からは目を背けたり。
だけど逃れようのない現実と直面することはやはりある。
いつまでも人知れず心に燻る思いもやはりある。
最愛の人に助かって欲しいと思う反面、その時が来てしまうのをただ待ってる不安や苦しみから早く解放されたいという思いも、悲しいけどやはりあるんです。しかもそれは自分自身も認めたくない真実。

コナーが厳しい現実と向き合うだけでもう号泣もんでしたが、ラストシーンで怪物がどこから生まれて、何のために現れたのかが示され、更に号泣。涙腺崩壊。偉大なる母の愛。

興行的に成功とは言い難い映画みたいだけれど、もっと評価されてもいい映画だと思います。

コナーを演じたルイス・マクドゥーガル君が非常にいい演技をしていますというか、役者全員良いですね。
父親役のトビー・ケベルはバルサのジェラール・ピケかな?とか思いましたけど。
映像や演出面も素晴らしいし、イギリスのロックバンド、キーンによるエンディング曲のTear Up This Townの歌詞含め、曲も最高!
みき

みきの感想・評価

3.5
子供に見せたい映画、でも子供にはちょっと難しい映画。大人になってこの時の感情理解できるなぁと思いたい映画。
怪物の話す物語のアニメーションがとっても素敵な優しい作品でした。
maichan

maichanの感想・評価

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このレビューはネタバレを含みます

親を亡くした、あるいは親が闘病している子供に対し、周りがどういうケアをしていけばいいのか、そういったことを伝えているような、それをお涙頂戴的なものにせず、見事なファンタジー映画に昇華させてます。
コナー君がおばあちゃんの家の居間をめちゃくちゃにしてしまうのも、辛い時は暴れていいんだ、叫んでいいんだ、我慢して感情を押し殺してしまう状態が一番良くないんだ。という事を表しているのかなと思いました。
お母さんの言葉にもありましたしね。

ただ、なんとなくモヤっとする映画だなーとも思いましたが、最後のシーンで霧が晴れたような感覚を覚えました。

最後のシーンでこれだけのことが頭をよぎりました。

*リーアム・ニーソンが写っている、彼がコナー君のおじいちゃんであることを示した写真があり、ニーソンが怪物の声とモーションキャプチャーもやってるときたら、あの怪物はおじいちゃんである。
*お母さんのスケッチブック。つまり怪物の3つの話はお母さんが作ったか聞いたかして、コナー君に小さい頃聞かせていた話だろう。
*あのイチイの木はお母さんにとって父親のような存在だったのだろう。
その思いがコナー君に伝わって、彼の夢、妄想の中に出てきたのだろう。

これは町山さんのムダ話を聞く前に、感じた事です!パクってはいません〜
goslinK

goslinKの感想・評価

3.6
ファタジー系は苦手だけど、コナーの演技に引き込まれた。
アニメーションが絵本みたいだと思ってたら、最後のスケッチブックに...
ルイス君もスターウォーズやエイリアンの様なSF映画に出れるといいね。
winnie

winnieの感想・評価

3.7

このレビューはネタバレを含みます

コナーの描いた怪物、見た夢の世界がお母さんの作品と一致して終わるところがもう親子の絆というか繋がりが見えて、凄く考えさせられる良い映画でした!!!
ファンタジーはあまり観ないけれどこれは良さそうだと思い鑑賞。大人向けファンタジーで見応えもあり良かったです。
ラストでママが書いたお話のような絵が、主役の子が体験したそのままの絵だったので小さい頃ママに見せてもらってたのかな?そういうことで良いのかな?だとしたら何か安心した感覚になりました。
リーアム・ニーソンの声が渋くて良かった。
chaooon

chaooonの感想・評価

3.7
夢か幻か。母の死に直面する少年の元へ、木の怪物が現れ語りかける。現実にファンタジックな世界が介入する。

13歳で母親を失う恐怖と、現実にのしかかる精神的葛藤が怪物との対話で表面化していく。受け入れがたい「真実」も最後には美しく昇華していく描き方。

OPや怪物が語る物語のアニメーションが美しい♪インク?水彩?のにじみの描写が幻想的。ここだけ何回も見たいくらい。主人公が走らせる鉛筆のタッチの見せ方も良い◎
大地が崩れゆく映像描写も良い◎

13歳で母を失うことはとてつもなく辛いことではあるが、13歳の息子を残して逝かねばならないお母さんの気持ちの方に、より想いを馳せてしまった…。フェリシティ・ジョーンズ良かった。目が素敵。

祖母役のシガニー・ウィーバーの存在感といったらない。というかもう祖母役をやる程のお年とは…そっちもびっくり。

怪物の声がリーアム・ニーソンで、お腹に響くような重低音が素敵です。
ラストシーンのお母さんの写真の中に、幼い頃に父親と撮ったであろう写真があって、それが何気にリーアム・ニーソンだった。怪物=少年の祖父?とも思える演出?お母さんが描いたイラストや目線からも、ただの少年の幻想なのか、現実なのか?の余地を残す感じも良かったです◎