良く言えば純粋無垢、悪く言えば傍若無人なヒーロー孫悟空。そんなキャッキャ言ってるおサルを、齢五十を過ぎたドニー・イェンがノリノリで演じるのを冷静に見てしまうと少し辛かった。師よ…。
本人がどう思っていたかは知らないけど、事実として、続編では孫悟空役が交代しているようだ。師よ…。
ハリウッド並みのVFXが中国映画でも可能になり、映像化へのハードルが低くなった西遊記。CG技術の進歩で天界と魔界の大戦争みたいな映像も作れるようになったのは良いことである。
一方でグローバル化の弊害と言うべきか、万人受けであるがゆえに作品のレベルは高くはない。中国映画の強みを自ら捨てている。カンフー・マスターを起用しながら、肉体を酷使するアクションは封印。これではまるで踊らないインド映画のようだ。
