キミシマユウキ

アメリカン・バーニングのキミシマユウキのレビュー・感想・評価

アメリカン・バーニング(2016年製作の映画)
3.6
1960年代アメリカ。高校時代はアメフトの花形選手、社会に出てからもビジネスに成功して美人な妻を得たシーモアは順風満帆な人生のように見えたが……

SWシリーズ『トレインスポッティング』
!!ユアン・マクレガー!!
が初監督をし、主演もした映画。
アメリカ近現代を描いたフィリップ・ロスの小説が原作。


Q.「人間はなぜ存在する?」

A.「類人猿はなぜ存在する?」

アメリカでも我らが日本でも評価が奮わなかった残念な作品だが、個人的には結構好き。
一見他所から見たら成功した典型的な中産階級のアメリカ人のいち家族が崩壊していく様をじっくりコトコト描いてくれる。
反戦思想の娘、自らの美に囚われる妻、、
主人公がとんでもないクソ野郎ならまだしも、彼がとても寛大で良心の持ち主だからまた見続けるのが辛い。どうにか修復出来ないものかと最後まで諦めない姿勢に感動と同情。
娘を持つユアンがとんでもない娘に困り果てる父の話である今作を監督したと言うだけで果たしてどんな想いでメガホンをとったのか聞いてみたいものだ。

主演のユアンは渋い演技。
ただ今思えば生まれも育ちもイギリスの彼が典型的なアメリカ人の父親を演じるのは少し違和感があるな…だから米国で評価低かったのか?
美人妻にジェニファーコネリー。
相変わらずの凛々しい眉毛に端正な顔。
メイクだけで整形前と整形後の顔を使い分け出来るのが凄い(笑)
そして問題児の娘にダコタ・ファニング。
さすが元天才子役、その演技力に一点の曇りもなかった。彼女の演技なくしては今作は成立しない。しかし問題児だな。
あとは『ハウスオブカード』のモリーパーカーや『オレンジイズニューブラック』のウゾアドゥバ等Netflixオリジナルドラマのキャスト達が目立った。

ラストシーンで彼は報われたのだろうか?
とりあえず、
ベトナム戦争はヨクナイネ(小並感)

60年代のアメリカ好き、ユアンの初監督を観たい方、そしてダコタちゃんの七変化演技を観たい方にはオススメの作品。、