ベルサイユ製麺

グレートウォールのベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

グレートウォール(2016年製作の映画)
3.1
グレートウォール。万里の長城です。『ダンサー・イン・ザ・ダーク』でセルマが「観た事無いけど、只の壁でしょw」と論破した例の。これはちょっと確認しておかなければね。今はもう見ることの出来ないセルマのかわりに…
チャン・イーモウ監督、恥ずかしながら一本しか観ていないのですが、凄くジャンルホッパー的な印象を持っています。とは言え今作は流石に守備の範疇から外れすぎでは?と思いましたが、脚本にエドワード・ズウィックが入ってますね。納得。すごくぽいです。
〜大昔の中国、大陸から火薬を探し、持ち帰ろうと企むマット・デイモンが、ジャガイモを作ったり、放課後に黒板の数式を解いたりしているうちに万里の長城を拠点とする禁軍と、えーと合流。主に右側から来る凄く怖いのが多くて強いので嫌なのだが、勇敢にも怪物達に立ち向かうことにした!主役に抜擢されたので!…概ねこんなストーリーです。
序盤は観ながら「あー、マッドマックスぽくやる感じねー」とか「よく知らないけど多分進撃の巨人なんだろうな」とか、穿った嫌な分析をしていたのですが、途中からもっと素直に観ることにしました。全然ふつうに面白いです。特に合戦シーンは迫力があって見入ってしまいました。敵の怪物が積み重なって長城を乗り越えようとするシーンとか、まるでワールドウォー・ゼッ…いやもう、最高です!
エキストラのべらぼうな人数は中国ならではだと思いました。合成では出せない迫力は有りますね。事前に調べてなかったので、アンディ・ラウやウィレム・デフォーが見られたのは得した気分です。
中盤からストーリーが目に見えて破綻してくるのですが、昔話って大体不可解な展開なので気になりません。寧ろもっと脱線して欲しい。敵の怪物軍団が大ボスをやられるとWi-Fi切れたみたいに沈黙するのも、正直最初からそうだと思ってましたよね。じゃあないと収拾つかないものね。
だいたい想定通り位の面白さでしたので、全く不満はありません。鑑賞後の気分は『ジャックと天空の巨人』辺りとほぼ同じ感じです。この位の雰囲気の映画はどんどん作って欲しいです。観れたら観る、位の。ちょっとコッテリし過ぎて胸やけするって方には、口直しに『アタック・ザ・ブロック』を強くお勧めします!
主演にマット・デイモン。完全に推測ですがボーンシリーズとかでアジア人に妙に人気が高いのではないかしら?でもキャリア的には余りメリットが無いと思うので、もっと仕事を選んで欲しいなぁ。こういうのはもっと、ロック様とかが演ると良いと思いますよ。