パグレ

セルのパグレのレビュー・感想・評価

セル(2015年製作の映画)
1.1
電話を使っていた人たちの様子が急変し、悪魔に憑りつかれたかのように狂暴化して街中が大パニックになるわけですが
この段階での見応えとしては
「通信技術が必須化した現代社会への風刺が効いてる、メッセージ性の強い、奥が深い映画なのかも」とか
「助けを呼ばなきゃいけないのに電波で助けを呼ぼうとしたら"ヤラれ"てしまう」といった設定にある種の「綿密に練られた巧妙さ」のようなものを感じて、これは面白い映画だ!と色んな想像をかき立てられながら見ていました
導入部のインパクトだけは物凄く良かったです

しかし残念なことに、そんな感じでドキドキしながら観れたのは序盤だけ
妻と息子の安否を確かめるための道中、ぜんぜん見応えのあるイベントが起こらない
他の生存者と出会ったり狂暴化した人たちに襲われ逃走したりするんですが、各種イベントが「・・・だから?」って感じで内容が全然ない
それならいっそアクションサバイバル映画として見ればいいのか?というのもダメで、ぜんぜんアクションしない

携帯に"ヤラれ"た人たちの行動には一応ちょっとした習性や傾向があって、作中で少しだけその事について推理するような場面はありますが
じゃあパニック系のミステリー映画として楽しめるか?と言われればそれもダメ
だって不可解な現象を体験した作中の登場人物たちが次のシーン以降そのことにぜんぜん触れない
普通の映画だと「アレは何だったのだろう?」とか気にしつつ、さらに追加でヒントが手に入ったりするけどこの映画はそういうのありません

で、気付けば映画の残り時間もあと少し
「まさかだけど、このまま終わり?いや・・・そんなはずないよな?」とか思ってたらエンドロールに突入

スティーヴンキング原作ということなので小説版があります
小説のほうはそれなりに評価も高いので、そちらをしっかり読めば物語の内容や真相、ギミック等をしっかり理解できるのかもしれません
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