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ワンダーウーマンの教授のレビュー・感想・評価

ワンダーウーマン(2017年製作の映画)
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「DCEU」の3作目。
前2作のモヤモヤ感から比べれば、数段も上をいくクオリティ。
世間の評価も頷ける。

2017年当時。この膨大な製作費を女性監督に委ねることが初ということ。
男性から見ての「お色気要素」を遥かに凌ぐカッコ良さ、というのを見事に体現するガル・ガドットの魅力。
何やりヒーロー然としたその佇まいと、キャラクターを違和感なく定着させる外見上の存在感の強さも相まって、非常に魅力的な映画になっている。

元来、映画史的には、それこそ男たちの性的願望として描かれてきた「アマゾネス軍団」たちを、「ブラックパンサー」における「ワカンダ王国」同様に、確固たる理念に基づいた「戦闘国家」として描かれ、自衛のための戦闘要員として見事にカッコよく描かれている。

そこに、観ていて思わずニヤついてしまうほど初々しいロマンスや、ジェンダーの物語以上に、人種や戦争についても、メッセージを限りなく押し付けないバランスでサラリと描いてみせる点が本当に素晴らしい。

エンターテイメント映画の情報量と、ヒーローという一個人が背負う「世界」とその背景の入れ込み方が浅薄な作劇になっていないことで映画としてとても豊か。

ただ。
全体的にはやはりダラダラしているとは思うし、2時間半は長い。
特にラスト辺りの決着シーンは、ヴィラン側のキャラ立ちが弱い点も含めて。
尺の長さとエピソードの畳み掛けに失敗している。
欲を言えば、そういった飲み込みづらさだけ解消されれば文句なく絶賛できるほどには面白いと思う。
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