ノラネコの呑んで観るシネマ

ワンダーウーマンのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

ワンダーウーマン(2017年製作の映画)
4.7
期待に違わぬ面白さ!
「マン・オブ・スティール」から始まったDCEUの、ダントツのベストだ。
女だけの島で純粋培養された運命の子ダイアナが、外の世界で人類の愚かさを知り、それでも人類を救う愛の救世主となるまでの成長物語であり、切ないラブストーリー。
「BvS」の時も「僕のママがー!」って不毛な戦いを、ワンダーウーマンがサラッと救ったが、人類全体を愛で守る決意をした彼女に、マザコン男子ヒーローが敵うわけがないのだ。
第一次大戦という現実の戦場の生々しさも、彼女のリアルな成長に不可欠な舞台。
ダイアナが髪をアップにした時の野暮ったさは、たぶん狙ってるんだろうな。
彼女が髪を下ろして、あのコスチュームで初めて登場するシーンは文句無しにカッコよくテンション上がる。
早過ぎないテンポで感情の流れがしっかり描きこまれ、良い意味でオーソドックスな物語は、古典の風格を感じさせる。
面白いのは、主人公の造形が、ジェンキンス監督の前作「モンスター」のシャーリーズ・セロンと、表裏の様な関係になっていること。
どちらも未熟な女性が何者かになろうとするが、片方は英雄に、片方は怪物になってしまう。
二本には、共通するドラマツルギーと作家性が見て取れる。
ブログ記事:
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