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ワンダーウーマンのAKのレビュー・感想・評価

ワンダーウーマン(2017年製作の映画)
3.7
『ワンダーウーマン』を観た。「スーパーヒーローが現実にいたら戦争は解決して世界は平和になるのに」という誰もが幼少期に抱くだろう妄想の映像化。WWⅠ時の英米vs独というわかりやすい正義と悪の構図がそこでは必要とされる。戦地や軍法会議という権力の場で男の常識をひっくり返していく最強の超絶美女戦士。このわかりやすさと爽快感にはなかなか抗えない。

だからこそ本当にガル・ガトットのイスラエルによるガザ攻撃支持は本当に残念。この発言をうけてなお「フィクションに現実の政治を持ち込むな」というのはあまりにもナイーブすぎる。なぜって、今でこそ我々はWW1でドイツが負けることを、後にナチス・ドイツが勃興することを知っているが、
映画の中での「休戦交渉なんてありえない」というワンダーウーマンの発言をリアルタイムの現実世界に適用した場合、それはあまりに危険だ。つまり彼女は「ワンダーウーマンが実際にいたらパレスチナをふっとばす」と言っているわけだから。

個人的には「映画ビジネスにおける女性の商品化であり、ハリウッドの後退だ」というジェームズ・キャメロンの批判(よりによって、あのキャメロンなのだ!)が気になるが、これはもうちょっと勉強しないと何も言えん。

しかし本作がジャスティス・リーグ構想を救ったのは間違いない。『スーサイド・スクワッド』の時は皆「どうすんのこれ…」感は、期待へと変わった。まぁでも今更だが、ノーランがバットマンを撮っていた時にジャスティス・リーグに巻き込まれなくて本当によかった…
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