五十

ワンダーウーマンの五十のレビュー・感想・評価

ワンダーウーマン(2017年製作の映画)
4.2
現時点でDCEUの中では一番面白い映画ですね。
一つの映画としての完成度が他とは段違いで高かったです!
『ジャスティスリーグ』の前にやっておいて正解でした。

私見ですが、万能型のヒーローの役割は「人間個人ではどうすることもできない状況を変えること」だと思っています。
分かりやすい例は災害ですね。
先の震災でも、こんな時にヒーローが来てくれれば…!と願った人がどれだけいたことか…。(僕もその一人ですが)
現実にはヒーローは現れてくれませんが、だからこそ我々はフィクションに希望を求めるのです。

災害の他に分かりやすいもう一つの例が戦争です。
戦争も災害みたいなもんで、個人の力ではどうすることもできません。
しかし、本作でワンダーウーマンは実にヒロイックな活躍で、ある一部の地域の戦況をひっくり返し、沈静化させることに成功します。
普通の人では決して不可能なことを超パワーをもって成し遂げてしまうのです。
罪のない人々のために……。

これこそ『マンオブスティール』に足りなかったところだと思いました。
「超パワー」で「ヒロイック」に「罪のない人々のため」に…。
これ重要ですよね〜〜。
もうね、この時点でヒーロー映画として大成功でしょう。

物語も、これまでのDCEU作品のようなブレもなくスマートにスムーズに進行して、上映時間の割に非常に観やすかったです。
外界からシャットアウトされた島から一人の女性が旅立って、世界を知ると同時に自身を認識し直しながら成長していく…。
なんだか『モアナ』を思い出したりしました。

それからもう一つ、細かい点なんですが大きなポイントが。
戦時が舞台のアメコミヒーローですぐに思いつくのが『キャプテンアメリカ』(以下、CA)だと思いますが、本作が『CA』にない良いところを持っているのは確実だと思います。
それはズバリ「ちゃんと昔っぽいところ」です。

『CA』はプロップや映像表現など様々な点から「当時っぽくない」違和感が生じていたと思いますが、本作ではそれらに徹底していて「ちゃんと昔っぽい」んですね。
これによってノイズが生じにくくなったし、何よりラストシーンがより響くものとなりました。
この点はMCUの『CA』にはない、本作だけの良いところですね。



総評して非常に満足しました。
DCEUはMCUの後追い、みたいなイメージは本作で払拭されましたね。
『ジャスティスリーグ』が楽しみです!
(『ジャスティスリーグ』こそ『アベンジャーズ』の後追いになりませんように…!)
五十

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