ロク

ワンダーウーマンのロクのネタバレレビュー・内容・結末

ワンダーウーマン(2017年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

本作について言えることはただ一つ!ガル・ガドットは素晴らしい役者だということです。それは既に「バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生」で曇天模様の空の下でバットマンとスーパーマンがウジウジと戦っていた中にガル・ガドット演じるワンダーウーマンがジャンキーXLのゴキゲンなメロディ乗せて颯爽と登場した時点で解りきっていたことだけど、やはり、ヒーローとは人の期待を背負って戦うもので大いなる責任には大いなる犠牲が伴うなんていうヒーローの存在意義でウジウジと悩むヒーローなんて誰も観たくない!それを見事に体現してくれたガル・ガドット彼女こそスターなんだと思わせてくれました。それは本作でも黄金の戦闘装束に身を包んだダイアナがためらう男達の先陣を切って塹壕から飛び出し、その凜々しさに思わず兵士達が続くまるでドラクロアの名画「民衆を導く自由の女神」を彷彿とさせる気高さと美しさに彩られた名シーンに集約されている。考えるのでは無く、まずは行動し、そのアクションに人々は感化される。演説でも思想でもなく行動によって人を動かす、まさにこれこそがヒーローでありそれを見事に体現させたガル・ガドットは素晴らしい役者なんです。しかし、肝心の物語はどうだったかというと正直なところ期待値が高かった分少し残念な感じがしました。本作はアマゾネスが住む島ですくすくと元気に育つダイアナの幼少期から始まるのだけれど、正直言ってこの下りは必要だったのかな?パティ・ジェンキンス監督としてはアマゾネス達の王国で母や姉達との平和な日々と戦争に明け暮れる暗い人間界との対比を伝えるために描きたかったのかもしれないけれど後の物語に関係してこないのなら冒頭でサラッと紹介すれば良いだけで1時間近くもかけて描く必要は無かったかなと思います。とにかくダイアナが島を出るまでが長くて物語が転がり出すのがダイアナがロンドンに渡ってからで俄然面白くなってくるのが西部戦線の激戦地に移ってからって回りくどすぎじゃないの?ってくらい長く感じましたが、クライマックスに向けて急加速で物語が進んでいきダイアナとラスボスが遂に合間見えて一大バトルアクションが展開するぜ!!!ってテンションMAXで期待してたら????まさか曇天模様の空の下でDC映画お馴染みの爽快感の無いアクションが披露されるとは正直ガクッときちゃいました。監督の作家性を完全に殺して誰が撮っても一定のクオリティを保った作品を提供しているMCU映画と違いDC映画は監督の独自性を十二分に生かせる環境にあるはずなのに何故ザック・スナイダー監督やパティ・ジェンキンス監督はクリストファー・ノーラン監督が描いたダークでシリアスな路線を踏襲しようとするのか不思議でならないです。あの世界観はノーラン監督のものであって両監督とも自分のカラーを思い切って出して行けば良いのに勿体ないです。まぁ、これがDC映画のカラーだというなら仕方がないけれどパティ監督には壁をブチ破って欲しかったですね。まぁ、単純に自分がDC映画のカラーが合わないということだと思うので、批判的なレビューになってしまったことは申し訳ないと思います。
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