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ワンダーウーマンのohassyのレビュー・感想・評価

ワンダーウーマン(2017年製作の映画)
3.5
全然面白そうだと感じられなかったんだけど、アメリカであんまりヒットしたもんだからどんなものかなと思い。
スーサイドスクワッドがびっくりするくらい面白くなかったし(ハーレクインが終始キュートだったから見所はあった)、期待値は低め。

これは持論で、その正しさにはかなり自信があるんだけど、映画はなるべく情報がない状態で観た方が絶対に面白いし、期待値は低ければ低いほどいい。
「主演トムクルーズかよ!」とか、情報が無ければ無いほどそれだけ楽しめるポイントが増える訳だし、「なんだよ案外面白いじゃん!』といい意味で期待を裏切ってもらえるし。そもそも期待しなければガッカリもしないし、いいことしかない。
現実的には映画を選ぶ時点でトムクルーズを知らないままというのはほぼ不可能だけれど、気持ち的にはそのくらいを目指したい。調べるのは観た後でいい。

ワンダーウーマンが女性蔑視のアンチテーゼであることはよく語られているし、勉強不足かつ男である以上本質的には分からないので、その辺の話は誰かに任せるとして、これは見事に期待を裏切る楽しさだった。観た人は皆ワンダーウーマン大好きになるはず。
徹底的にキャラクターを描くことに終始していて、ストーリーも音楽も、そのためだけに用意されていると言っていい。
冒頭のバカみたいに見えるアマゾネスの島のシーンや、初めて都会に出た田舎娘のコミカルシーンが、中盤のアクションに見事につながって、それはもう歓声をあげたくなるほどのカッコよさに昇華する(多分ちょっとは歓声あげた)。
予告映像で刷り込まれたメインテーマがここぞとばかりに鳴り響く。完璧なシークエンス。

ああ、あのシーンをもう一度観たい。
ラストはどうでもいい、あのシーンを。

バッドマンvsスーパーマンのときは全然いいと思わなかったんだけどな。
同じ人が演じていても描き方でこれほどまでに魅力的になるという、お手本だ。
チャーミングさと神聖さと力強さが同居する、稀有なキャラクターが誕生した。
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