LalaーMukuーMerry

ワンダーウーマンのLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

ワンダーウーマン(2017年製作の映画)
3.8
アマゾネス系の映画を見たのはいつ以来だろう? 思い出せない(見たことないのかも)
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神話世界の主人公が現代に現れて、邪悪な神アレスがとりついている人間を倒しに行くお話。その現代が、ちょうど100年前、第一次世界大戦の頃という設定が、なかなか面白かった。
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今の世の中、神話世界とは全然違う。人間は神も知らないような技術を手に入れ、人口も爆発的に増えて世の中は無茶苦茶複雑になった。神話世界のやり方はもはや通用しない。それでも勧善懲悪の素朴な考えで突き進む主人公ダイアナ。アレスがとりついた(と思われる)一人の悪人を倒しても世の中は決して良くならない… それぐらい早く気づきなさい。
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前半は女だけの世界で育った世間知らずの若い女性が、現代社会とのギャップに戸惑うアルアルがたくさん出てきて、それなりに面白かったのですが、終盤はなんだかイマイチ。アレスの正体やダイアナとの関係とか、二人の戦いの勝敗なんて特に興味はないのだけれど(どっちが勝っても世界は変わらないのだから)そこに力が入りすぎでは? 
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さてここからはまたまた脱線ですが、アマゾネスたちがいたセミスキラという島はどこにあったのだろう。ヒントは、ストーリー中でドイツ帝国の船が1917年に初めてここにやってきたこと。ドイツが面する海はバルト海と北海しかないが、こんな寒い海に裸同然の格好でアマゾネスたちが暮らしていた筈がない。南に海(港)を持っていないドイツはどうやってセミスキラの島にたどり着けたのだろう? (断っておきますが、架空の島なので本気に考えるような事ではない)
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World War I Everyday というYouTubeの動画で当時のヨーロッパの領土の変遷をみると(こういうの見るの楽しいんだよね)、候補地はまずアドリア海。ドイツと共に枢軸国だったオーストリア・ハンガリー帝国は大戦当初からこの海に出口を持っていたから、ここをドイツ海軍は使わせてもらっていたのかもしれない。リアス式海岸で島も多いし・・・
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第1次大戦の期間を通して西部戦線はほとんど動かなかったが、東部戦線は実はじわりじわりと枢軸国側が領土を広げていて、開戦当初(1914年)に南の海はアドリア海しかなかったが、1917年頃には領土はエーゲ海と黒海に面するまでになっていた。だから候補地として、黒海とエーゲ海が加わる。だが黒海に島はないから加わるのはエーゲ海のみ。ここもリアス式海岸で島が多い。1917年ということを考えるとエーゲ海の方が説得力がありそうだ。結局これ以上絞り切れなかったが、たくさんの島が近くに見えるギリシャ神話の舞台だったエーゲ海近辺の海なのだろう。なんだか当たり前すぎる結論に落ち着いたな。いえいえ、もし枢軸国の領土が南方に広がったという史実がなかったら、この作品の基本設定部分が今以上に不自然になっていたということなのかもしれない。