アスガー・ファルハディ監督の長編3作目。
年末のテヘラン。若い雇われ家政婦が、夫の不倫疑惑で落ち着かない夫婦の元に派遣される。
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これにて、アスガー・ファルハディ監督の過去作コンプ。あとは最新作『英雄の証明』を鑑賞するのみ。
アスガー・ファルハディ監督版『家政婦は見た!』(本家を観たことはない)。結末のパンチはまだそれほど強くないものの、サスペンス・スリラー要素が強まり、現在のスタイルにかなり近づいた。
中流階級夫婦のいざこざに巻き込まれる雇われ家政婦ということで、設定は『別離』に似ている。違いは、『別離』が"探偵なきミステリー"だったのに対し、本作は家政婦が探偵ポジションにいて、事の一部始終を目撃するということ。
"目は口ほどに物を言う"という言葉がぴったりのラストシークエンスが秀逸。キープレイヤーたちの表情を順番に映していく。
キーアイテムは、イランらしくチャドル。チャドルがバイクのタイヤに絡まってしまうというオープニングシークエンスが、巧い伏線となっていた。
自分勝手な大人に翻弄される子供たちが、本当に可哀想。純粋な子供たちを見て思わず微笑む主人公に、こちらまでほっこりさせられた。
新年の『火祭り』。暴動かと見間違うほど、街中爆竹騒ぎ。
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