ぺん

リリーのすべてのぺんのレビュー・感想・評価

リリーのすべて(2015年製作の映画)
3.6
世界で初めて性別適合手術を受けたデンマーク人のリリー・エルベ。
性別に違和感を覚えたきっかけは意外なもので、それを作った妻ゲルダとの関係の変化も見所。
悩み苦しみ続けるリリーには胸が痛むし、それ以上にゲルダの気持ちに共感するとつらい。
「自分のことばかりね」というセリフはまさにそれを表してもいる。
もう少し夫婦2人の衝突や葛藤のエピソードを観てみたかったのだけど…それぞれが動き回っている印象が強い。
性別適合手術を決意した前後ももっとドラマが作れただろうにあっさりしていて、そこは消化不良。

トランスジェンダーという言葉もなく、病気だと治療される時代から比べれば今は少しずつ進歩してきている。
リリーのなりたかった女性らしさや女性像も変化してきている。
10年後20年後、また変わっていく概念が生きやすさに繋がっていけばゲルダやリリーの想いも報われるだろうか。
ラストの美しい沼の風景にホッとした。
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