ぺふ

リリーのすべてのぺふのレビュー・感想・評価

リリーのすべて(2015年製作の映画)
3.5
余りよく知らないままで見てしまい、大ショックでした。

デンマークの話なのに英語で喋ってる!どこの話か一瞬わからなくなり、混乱。パリのフランス人はフランス語喋ってるのに。

仲良し画家カップル。最初は旦那のアイナーの方が評価されてて、妻ゲルダは画商に何か違うと言われ続けてる。子供が欲しいのにできなくて、行き詰ってるのがありあり。
旦那を女装させて描いた絵が評価されパリ進出したのに、それがきっかけで旦那女装癖が分かり、それだけでなく性同一性障害であることが分かる。
もうゲルダの悲しみの表現が素晴らしい。どうしてこんなに頑張れるの?
自分の旦那さんが自分の理解できないどんどん遠いところに行っちゃうのに、理解しようとするし懸命に尽くすんだよ。

アイナーがリリーになって、百貨店で売り子をするときは本当に楽しそうでよかったなあ、と思ったけど、ゲルダの嬉し寂しそうな様子を見ると、そんな簡単なものではない、と引き戻される。
ハンスっていう旦那の友人もよかったな。見た目凄くマッチョで保守的な感じなんだけど、ゲルダのことが好きってのもあるかもしれないけど、アイナーに対し偏見の欠片も見せなかった。

アイナー、リリー役の彼も素晴らしい造形でした。痩せてやつれていく様子、本当にどきどきした。

何がショックかというと、最後にリリーがLGBTの人に勇気を与えているという言葉が画面に映し出されたこと。そうか、これはそういう映画なのか。ゲルダの辛さにしか思いが及ばなかった。
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