このレビューはネタバレを含みます
ゲルダの愛の深さに脱帽。
夫が女性になって女性として幸せになりたいと願うことは、ゲルダの最愛の夫と夫婦として暮らしていきたいという望みとは真っ向から対立するのに、リリーを憎まず、理解して、相手の本当の幸せを応援するなんて、なかなかできることじゃない。
リリーを外に出せたアイナーが絵を描かなくなり(描く必要がなくなった?)、ゲルダがリリーを描くことで才能が開花するのも、運命の巡り合わせの妙というか……
時代の無理解の中で最後まで自分らしくあろうとしたリリーと、それを支えるゲルダの、種類や性別を超えた絆に心を打たれた。