静かで、美しく、重く、繊密だった。
ここまで登場人物の心情が深く描かれているとは思わなかった。もっと社会的な面での差別などの問題にぶち当たっていくと思っていたけど、この映画は本当にアイナーとゲルダの精神的な葛藤に焦点を当てている。
「私とあなた、つい最近まで結婚していたのよ。」
「あなたとアイナーがね。」
「でも本当に、私とあなただったのよ。」
このゲルダの一言で胸が締め付けられた。彼女の愛していた人は永遠に去ってしまったのだろうか。
この映画は観る側の人間性までをも問うものだと思う。私の父はトランスジェンダーに対する考えがいい方向へ変わったらしい。
この映画を観、誰しもが想像できないほどの強い愛を感じ心を動かされることだろう。