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リリーのすべてのtdswordsworksのレビュー・感想・評価

リリーのすべて(2015年製作の映画)
4.4
偏った映画だと思う。
実際とはだいぶ異なるらしいし、トランスジェンダーに対する偏見の描き方もあっさりしすぎてる。公園で殴られる場面も、差別に対する憎悪を呼び起こすよりもリリーの立ち居振舞いと風景美を際立たせる。醜いものをすべて排除してるようだ。

しかし、愛する人を傷つけても、愛する人の望む自分を殺してでも「女性になる」ことを選択した主人公の覚悟を説得力をもって描くためには、映像美に振り切った演出はきわめて効果的だ。主演二人の演技も文句のつけようがないし、時おり差し込まれる、絵画のような風景がすばらしかった。
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