あしからず

リリーのすべてのあしからずのネタバレレビュー・内容・結末

リリーのすべて(2015年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

以前話題になっていたリリーのすべてをやっと鑑賞。想像以上につらくて美しかった。しかもほぼ実話だなんて…

エディ・レッドメインの演技が芳醇で途中から妻のゲルダ以上に女性にしか見えなかった。パーティーで出会った例の男性とゲルダに内緒で密会している所とかドロドロしててやばい。
個人的にゲルダに感情移入してしまったのでそのあたりの箇所は本当に辛いしリリーに怒りさえ感じたけれど、アイナーは本質のリリーになりたいという気持ちがあるからとても繊細な問題だし複雑だ…。
2人とも画家という設定もあってか画面も絵画的な映像が多くて見応えがある。
映像として衝撃だったのはアイナーが鏡の前で自身の性器を足の間に挟む場面。
自らの性への葛藤と女性への願望がここまで如実に分かるシーンはないだろう。
ここでいつものモザイクが入ったらもう全てが台無しになるのでなしで作ってくれてありがとう…

世間的に評価されていた方のアイナーが絵を描かなくなってそれまで評価されていなかったゲルダが夫の女装姿を描いて売れ、それがきっかけで夫を失うってものすごく皮肉的だけれど、これが実話なんだな。
現実ってすごい。
あしからず

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