ルイまる子

リリーのすべてのルイまる子のレビュー・感想・評価

リリーのすべて(2015年製作の映画)
4.2
自分が集中力のないまま見たのが悪いのだが、デンマークだとは知らなかった(ちゃんと原題を見ればThe Danish Girlと書いてある。。)イギリスだと思っていて、手術しにイギリスに行くと聞いて、あれ?どこだったの?と最後の方でわかった(すみません、物語の筋が把握できず見ること多々あり)。なぜデンマークが大事なのかというと風景だ。美しい風景だった。心の描写が風景で表されている。どんな苦しさなのか言葉で説明しきれないし終始どんよりとした冬の枯れ木が同じ種類の枯れ木が数本、でもバランスよく立っている。これが何よりリリーの心の中だ。それから空も低い寒い、でも限りなく美しい。リリーは勇気がある、こんな当時ありえない性転換手術を実行に移すのだから。死を覚悟しても自分のままでいたいから。そして僅かな期間だったけどデパートの店員をエレガントな女として過ごした日々は幸せそうで良かった。それにしてもゲルダとはなんという理解者なんだろう。リリーはゲルダの力を得て前に進めたんだろうな。男と女の愛でなく、友情だったとしてもそれはそれで夫婦なんだろう。(結婚後何度もセックス出来ているんだし。。ところで立つんだろうか。。ここがいつも不思議。同性愛者がカモフラージュ結婚をし子供がいる場合があるが、勃起しセックス出来る時点で異性愛も可能なのでは?と素人の疑問)。一番好きなシーンは崖の上から海を見下ろす、その時スカーフが風に流されて飛んで行く。追いかけようとする人を制止し「飛ばせてあげて」と涙ぐんで言うシーン。ゲルダの言葉だ。泣きながらも少し笑っていた。美しい物語でした。
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