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リリーのすべてのnozomiのレビュー・感想・評価

リリーのすべて(2015年製作の映画)
4.5
2018.5

“美” 演技に息をのむ
何から語ろうか迷う

映画全体で論点が明確でそのレールを役者が全力で演じている
主人公リリー&アイナーを演じたエディ・レッドメイン。彼の華奢で中性的な顔立ちから繰り出される、女性らしい繊細な動き、会話の間、喋り方、全てがまるでリリーが乗り移ったかのよう

妻ゲルダを演じたアリシア・ヴィキャンディル
徐々に旦那が変わっていくのを目の当たりにして困惑しつつも、彼を支える強い女の姿が印象的

ゲルダは強い
人間、あそこまで愛してる旦那が変わり果て居なくなっても、支えられるのだろうか?
自分だったらできるのか?
男と女という性別を越えて、リリーのいちばんの理解者となったゲルダ

当時は感染症の危険性も考えられた
性別再指定手術(今時はこういうそう)
性を乗り越えたふたりの絆「愛とは何か」を真正面から描いた作品
夫婦愛を超えた人間本来の“愛”を感じた

ゲルダにとっては“私”と“あなた”
それをリリーは“私”と“アイナー”と訂正
この一瞬のセリフの深み
計り知れない
エンドロール前に、リリーの日記は沢山の人たちに勇気を与え救ったと書いてあった
本作は凄い力のある作品
幅広い人達に観てもらい、LGBTQについての理解を深めるきっかけになればいいなと思う
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