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リリーのすべてのSのレビュー・感想・評価

リリーのすべて(2015年製作の映画)
3.9
ドキドキして鼻の奥がヒクヒクして胸がザワザワして泣きそうになっちゃうような、胸の奥がギュウッと締め付けられて息が苦しくなっちゃうような映画。
ゲルダは、リリーの姿がくっきりと視えていて、それを描いた作品は、皮肉にも他人に認められたことにより、ゆっくりと自分の首を絞めていくよう。放射線治療をして、リリーが傷ついてしまう場面は、とても苦しい。一番に理解したい、理解して欲しい相手同士だけれど、自分自身を否定されてしまうのは悲しい。
リリーの苦悩は分かる。いや、分からないけど、分かりたい。それでも自分都合が過ぎる。アイナーを殺してしまったら、ゲルダの人生は何だったんだ。彼女は何を愛して誰と愛し合ったんだ、という憤りを、途中感じてしまった。だけど、違うのかも。アイナーを愛し、リリーを愛した。それが、ゲルダの人生であり、私が言及できる事でもない。
途中から見方が変わってきて、リリーがゲルダの娘にも見えた。ゲルダに、母性、そして女の強さを感じた。リリーがゲルダの愛を強く感じた時、リリーの気持ちが痛い程、よく分かったような気がした。
リリーは満足出来たのだろうか。尊敬していた人物から認められて、自分の人生を全うできたのだろうか。理解していきたい。
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