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ある天文学者の恋文のmochikunのレビュー・感想・評価

ある天文学者の恋文(2016年製作の映画)
3.5
本作のそりゃそうだよねっていう部分である、周りの人たちが協力してメールやら荷物やらを送っていたことが、劇中の割と早い段階でネタバラシしてしまうことが、そのことがどれだけストーリーの肝ではないと理解していても、少し残念な気持ちになりました。せめてもうちょっと引っ張って欲しいかったような。

ジュゼッペトルナトーレの作品をすべて見たわけではないんですけど、僕が監督の好きなところは、心地よい絶望的な喪失感なんです。
たとえば前作の「鑑定士と顔のない依頼人」のラストなんて自分の大切なモノをすべて失くした主人公でしたが、全身全霊を掛けて人を愛したことがあるという気持ちが残ったことにより救われるストーリーになっていると思うんです。
ですが本作の主人公は最初からトラウマを抱えていて、かつ大切な人と死別してしまうわけですが、ラストに向かっていくに従って得ていくことの方が多いんですね。
疎遠の母親との関係を修復できたり、トラウマを乗り越えることが出来たり、新しい恋の芽生えの前兆のようなものもあったりと、喪失感を埋める作業を主人公がしていたので、それはそれで面白かったですけど〜って感じです。

なんか感想書いてて見てない監督作品を見てみようと思いました。
オッパイも出ててなかなか面白かったです。
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