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ふたつの名前を持つ少年のbluemercenaryのレビュー・感想・評価

ふたつの名前を持つ少年(2013年製作の映画)
4.1
そんなに都合よく8歳の子供が生き延びられるものか・・・・と思うけれど、これは実話の映像化。
生き延びた人々の多くが「結果的には兎にも角にも運だった」と云うから、話はそれ程盛ってないと思う。

父子で逃亡し、互いが今生の別れを予感した瞬間、「名前を変えろ、親を忘れよ」と言って消えた父親。
「生きて欲しい」それが精いっぱいの愛情表現。

出逢った人に恵まれた一方で、同じくらい悲しい別離にも遭ったし、裏切られもした。
それなりの経験が最後に思わぬ転換を引き寄せたと思う。
終戦からの展開はちょっと凄かったし、胸が一杯になった。
生き延びる為の術が少年を大人にしたんだけど、やっぱり少年は少年なんだよね。

「そして少年は大人になった」とは某名作の名セリフ。
それを半分だけ地で行く成長譚で、同等に残酷な物語だと思う。 


大戦中、多くの子供が熾烈な環境、過酷な運命を生き抜いたし、半ばで命を落とした。
成人して尚、過去と向き合わなければならない人が一杯いる訳。
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