ウルトラマン等で知られる円谷プロの特撮ヒーロー「ミラーマン」をリメイクした映画（オリジナルビデオ）。うる覚えではあるけれど、元々は全三話のオリジナルビデオとして制作。現在DVDでもそのように発売されている。せっかくだからという事でその全三話をカット編集し、合体させ、映画として公開したという経緯。
物語はオリジナルから切り離し、「巫女」だの「器」だのの単語が飛び交うオカルト要素を強くしたものとなっている。ミラーマンへの変身に関しても、巫女が鏡をかざして歌を唄うことで主人公が変身できるという大胆なアレンジ。これは個人的にすごく良い改変だなと思ってる。要は少女と渋いオヤジのバディ的なことが燃える。
主人公をそこそこ歳のいった大人の…しかもおっさんにすることで怪人との対決の背景に過去の因縁があったりと、それなりに熱い展開もあって良し。アクションも巨人戦と等身大戦、クライマックスはその両方に合わせて鏡の世界での闘いとバリエーション豊かにして頑張っている。
とはいえ、いかんせん物凄く低予算！
そのため、せっかくの巨大ヒーローでありながらジオラマはほとんど使わず、基本的には実写背景との合成ばかり。しかも映像そのものが安いから余計にチープに見える始末。色々もったいない作品なんですな。
ウルトラマンほどではないにせよ確実なファンの付いているミラーマンをリメイクするのなら、そんな生き急いで制作せずに確実な予算を設けてから作って欲しかったなという気持ちばかりが残ってしまう。そういう意味で前向きに評価は出来ないし、良い部分はあるのに誰にも勧められない作品となってしまった。
