もるがな

ルパン三世 トワイライト☆ジェミニの秘密のもるがなのレビュー・感想・評価

5.0
一度レビューしていた本作なのだが、モンキーパンチ追悼で再鑑賞。そして追記&再筆。なんだかんだで一番好きな劇場版である。

話としては至って普通で、特筆すべき点のない、いつも通りの劇場版クオリティなのだが、今改めて見るとモロッコでの財宝探しをベースにした冒険活劇として綺麗にまとまった良作であると思う。インディ・ジョーンズ的な古き良きテイストを感じながらも、モロッコの異国感がよく出ているのが良い。思い出話から始まり、思い出話として終わるという流れも美しく、ルパンがどことなく青臭く映るのがまたたまらないのだ。この映画に漂うリリシズムと切なさは何度見ても心に響く。

加えて、この映画はゲストヒロインのララがとにかく魅力的なのだ。全ルパン映画の中でも3本の指に入るレベルのヒロインであり、はっきり言ってこの映画の見所の9割はララであると断言できる。あと全体的に描写がエロい。劇場版の中でトップクラス。それなのに話は青臭くピュアなのだ。杉井ギサブローの味がよく出ている。

ララを演じているのは90年代を代表するアイドル声優の大御所である久川綾なのだが、これがハマり役で、セーラーマーキュリーやキュアムーンライトにやられた御仁はララに完全にノックアウトされるだろう。久川綾ファンには自信を持ってオススメできる。

あと久川綾の歌うEDテーマ「月と太陽のめぐり」は、たゆたうようなエキゾチシズムに身を委ね、ララがベリーダンスを踊るとても切ない名曲である。ニコニコのMMDやうたってみた等で隠れた人気を誇る曲ではあるのだが、聴くだけで広大な砂漠とモロッコでの大冒険が眼に浮かんでくる。この曲だけで星5を与えたと言っても過言ではない。アニメ史上最高のラブソングの一つであり、またベリーダンス布教曲としても満点である。

他の映画と比較して、たった一つでも抜きん出たものがあれば、それだけで名作になるんだぜベイビィ……。
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