すずき

プレデター2のすずきのレビュー・感想・評価

プレデター2(1990年製作の映画)
4.3
近未来のロサンゼルス。
そこはコロンビア系マフィアとブードゥー教団系マフィアが日夜抗争を繰り返し、治安は最悪の世紀末都市だった。
やや暴走気味の熱血ダイナマイト刑事・ハリガンは、猟奇的に殺されたマフィアの死体を目にする。
生き残りのマフィアの1人も、何かに怯える様子で転落死。
事件の背後に潜む、「人間でないモノ」を追ってハリガンは奔走するのだが…

舞台をジャングルから、大都会のコンクリート・ジャングルへと移したシリーズ第2段。
子供の頃に見た時は、主人公が大好きなシュワちゃんじゃないし、中々活躍しないしであんまり好きな作品ではなかった。
今回見直してみたけど、何やコレ、傑作やないかい!

子供の頃は気付かなかったけど、この映画の舞台は近未来の架空のロサンゼルスなのね。
治安が現実以上に超最悪で、悪趣味過ぎる報道番組が流行ってたりする所はまるで「ロボコップ」の世界。
そして劇中に明言されないけど、気温が40℃を超える異常気象なのね。
登場人物みんなシャツが身体に張り付き、ジャケットにも脇汗ビッショリで、アメリカって暑い所だなぁ、と子供の頃は思ってた。

んで、主人公のダニー・クローヴァーも常に汗だくで、顔も性格も凄く暑苦しいのよ。
そしてメチャ強い。
プレデターの強さが前作と同じと仮定するならば、前作のシュワちゃんより強いんじゃないかな。

日本語吹替も最高品質で、主演・内海賢二をはじめ、まあ凄まじい(いつもの洋画劇場の)メンツ。
そして翻訳はあの「コマンドー」の平田勝茂さんによるもので、暴力的でテンポの良いセリフの数々がやはり素晴らしい。

改めてこの作品を見直して思ったのは、この映画は「配慮」が無い作品だなー、と。
堅苦しい配慮が無い分、エンタメ方向に全振りした伸び伸びとした作風。
この作品は配慮こそないけれど、「不寛容」な作品ではない。
今現在の映画は、配慮こそ行き届いているが、正しい事以外を認めない、不寛容な雰囲気が漂っているものも多い。
別にポリコレ敵視して否定するわけじゃないけれど、この作品のような空気感も必要だ。
まあ、面白ければ何でも良いんですけどね!凄く身勝手な、一映画ファンの意見。