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ゴーストバスターズのTEPPEIのレビュー・感想・評価

ゴーストバスターズ(2016年製作の映画)
3.7
ここ数年のリメイク作では素晴らしい作品になっている。まず整理したいのは「ゴーストバスターズ」のジャンルやテーマとは何か?? テーマ抜きに純粋に様々な要素が入り混じったオリジナルは現在でも全米では不動の人気。配給のソニーとしても未だに上位に食い込むくらい興行的にも批評的にもヒットした作品だったが、第3作の製作発表を機に何かがおかしくなった。ジャック・ブラックが主演になるって話が出たり、リメイクするとか、やっぱテレビシリーズにするとか。最終的にはキャスト・スタッフ一新、魅力的な女性キャストをゴーストバスターズとして再始動することが決定した。結局、僕からすれば「G.I.ジョー」で忍者をイ・ビョンホンが演じたことが批判されたりとかどーでもいい話。ゴーストバスターズを女性たちが演じたり、登場人物のひとりが労働者として奮起したり、難しい話せずに楽しむのが「ゴーストバスターズ」の醍醐味ではないか。今回、労働者からゴーストバスターズに転身した女性を演じるレスリー・ジョーンズは黒人女優を主要に入れればいいとステレオタイプなやり口だ、という批判には呆れたそうだ。そりゃあ、そうだ。例えば登場人物が全員白人でイギリス人だったら、それはそれで人種差別とでも言うじゃないか。単純に役にマッチしてたのが、今回の4人の魅力的な女性キャストなのである。今回は最後まで楽しませようとする演出や、ガジェットを増やすといった新鮮味もあれば、オリジナルから引っ張るオバケの姿といった懐古的な部分が出てきている。「ゴーストバスターズ」はオリジナルに負けない、素晴らしいコメディ要素と楽しいアクションを提供している。そういう点では監督のポール・フェイグが描く、新たなゴーストバスターズは2度も3度も楽しめる。メリッサ・マッカーシーやクリスティン・ウィグのコミカルな演技に、妙に深くは描かない科学者としてのキャラは程よい。ケイト・マッキノンの飛ばした演技をレスリー・ジョーンズが騒々しく合わさって笑える。このゴーストバスターズはとにかく笑える。
総評として、クリス・ヘムズワースのオーストラリア英語を逆手に取ったセンスや新しい武器の数々など、格好良く、笑える場面に溢れる「ゴーストバスターズ」はきちんと様々なことにチャレンジして成功したリメイク作品である。この映画のトレーラーは公開当時、すごく叩かれており、観客からの評価もイマイチ。なぜか嫌われてしまった「ゴーストバスターズ」の続編は楽しみだったが興行が伸び悩んだのも事実。
しかしこのゴーストバスターズもまた、「名作」と呼べるのではないか。少なくとも新たなファン層の確立、オリジナルを超えようとする試みがしっかり伝わる。しいて言うならば主人公たちが面白すぎて忘れていたが「オバケ」をもっと登場させて、それこそ新たなオバケたちも見たかったが終盤のアクションシークエンスのコミカルで楽しい時間は素晴らしいと言える。
霊柩車に爆笑してしまう映画って…すごい。
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