まじさん

ズーランダー NO.2のまじさんのレビュー・感想・評価

ズーランダー NO.2(2016年製作の映画)
5.0
劇場公開を楽しみに待っていたのに、ビデオスルーされ、ショックで寝込んでいたので、やっとDVDで鑑賞。

当時はパリコレなどで、メジャーブランドとコラボした派手なキャンペーンをブチ上げていた。
残念ながら日本公開せず、ラジー賞9部門ノミネートしておきながら、受賞は助演女優賞のみという不名誉極まりない結果だけ伝わって来た。

あんなに楽しみにしていたのに、そんなに酷いのか?
そんな不安を抱きながら、意を決して鑑賞してみた。

いきなりジャスティン・ビーバーが銃殺される、気持ちのいいシーンから始まり、『タイタニック』のビリー・ゼインが、曰くありげに配達人として登場するがそれだけ。眉毛潰したベネディクト・カンバーバッチも割と酷い扱い。『24』のキーファー・サザーランドはの乱交仲間として登場。他にもロック・スターやファッションデザイナー、「VOGUE」編集長のアナ・ウインターも登場!
各界の豪華キャストが出まくって、下らない下品でお寒いギャグで消耗する。
差別的なセリフもまでもがギャグに使われており、まったくもって、いつものベン・スティラー作品らしくて、安心した。
好き嫌いはあるだろうけど、そこまで酷評されるシロモノでもない。とても楽しい映画だった。


みんな『ナイト・ミュージアム』や『LIFE!』で、ベン・スティラーを感動的なコメディを作るフィルムメーカーだと誤解しているようだが、あっちが例外なのだ。ファレリー兄弟にも負けないお下劣コメディ映画を撮る名手なのだ。

『ズーランダー』に関して言えば、前作から何もブレていない。「ファッションモデルはみんなバカ」という基本コンセプトに、ファッション業界の異常さをパロディにしたコメディ映画だ。

好きな俳優がコケにされてるからって、眉をしかめる必要はない。みんな楽しんでる。

大物スターに際どいジョークを言わせたり、サイコーに楽しい映画だった。

前作からのキャストもちゃんとみんな出演しており、スケジュールの都合で出られない俳優はチョイ役に格下げされつつも、ちゃんと見せ場を用意する。中でも、ミラ・ジョボビッチとペネロペ・クルスのキャット・ファイトシーンは見ものだ。

前作ではデビッド・ボウイが出演していたが、今作でも匹敵するスターが登場しているのも凄い。ベン・スティラーの顔の広さに驚くばかりだ。

とにかく前作と今作の予告編と本編含めて流れる裏テーマ曲、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドの「リラックス」がたまらない。エンドロールのMIXバージョンはメチャクチャかっこいい!

未見であれば、ぜひともリラックスして見て欲しい。

しかし、これだけファッション業界がバカにされているのに、この映画にファッション業界が全面的に協力している事にも驚きを隠せない。ファッション業界が物凄く懐の深いのか、はたまた、本当にバカばっかなのか…。オイラはその辺りの真意が掴めないでいる。