Kumonohate

新女賭博師 壺ぐれ肌のKumonohateのレビュー・感想・評価

新女賭博師 壺ぐれ肌(1971年製作の映画)
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シリーズ17作にして最終作。三隅研次監督が初登板。

サイコロ賭博の大勝負に勝った銀子(江波杏子)さん、過去16作みたいにこれで一件落着と思いきや、逆ギレした男達を相手にかんざしに仕込んだ短刀で大立ち回り。超人的な剣劇の果てに敵を根絶やしにしたところで「終」。

奇をてらったり派手なアクションに頼ることなく、頑なにストイック路線を堅持してきた本シリーズだったのに、最後の最後で一線を越えた。それでも、そうした外連味が奏功しているのなら文句は無いが、やはりストイックさを捨てきれなかったのか中途半端。銀子さんが、競馬場外に停めたワゴンの店舗でバーガーを売りながら予想屋をやったり、トラック運転手になって大型トラックとカーチェイスしたり、などという新機軸もいま一歩。まあ、こうしたマジメさがこのシリーズの魅力だし愛おしい部分ではあるのだけれど。

タイトルを「新」にして心機一転を図ったのだろうが、感じるのは終末感。手抜きとは思わないし、随所に創意工夫も感じる。それでも食い止めることのできない流れがあったんだと思う。そして、本作の公開から数ヶ月後、大映は倒産する。
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