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ラスト・リベンジのナーオーのレビュー・感想・評価

ラスト・リベンジ(2014年製作の映画)
3.0
元々ハリソン・フォード主演、ニコラス・ウィンディング・レフンが監督する予定だった本作。脚本の変更などでゴタゴタした後にレフンは『ドライヴ』を監督する為に監督を辞退して、脚本のポール・シュレイダー自身が監督も担当することに。しかし製作会社が監督や撮影スタッフたちに無断で映画を編集して本来のバージョンをぶち壊れたという経緯を持つ映画です…

まずこの映画はアクション映画ではないです。日本版予告ではベテランのCIA捜査官がテロリストと戦いを描き、テロは絶対許さない!というアクション映画風ですが、実際はアクションシーンはあまりありません。邦題の「ラスト・リベンジ」っていう安っぽい邦題ですが、現題は「Dying of the Light」です。

と言っても、僕はこの映画好きです。
色々と惜しいところがあるけど、支持派です。良くも悪くもシュレイダーらしい映画でした。

22年前に自身を拷問したテロリストを追うベテランのCIA捜査官。認知症を患いながらも粘り続けてテロリストを追い詰めていく。追えば追うほど認知症が悪化していく描写やニコラス・ケイジの認知症の演技が良かったです。結末も決してハッピーエンドではなく、哀愁が残る感じもポール・シュレイダーらしくて好きです。

ただポール・シュレイダーが作った本来のバージョンが観たかったです。もっとダークなトーンらしいですが、凄く観たい…

「アメリカン・ジコロ」や「ドッグ・イート・ドッグ」「魂のゆくえ」みたいなとんでもない傑作を作る確かな腕はあるのに… 惜しいな…
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