LalaーMukuーMerry

Wの悲劇のLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

Wの悲劇(1984年製作の映画)
4.0
女優への道は険しく、通り一遍の努力だけではダメというのはよーくわかるけど、チャンスをものにするためには「女」を利用することが当たり前という感覚はどうなのでしょう? それは、大人の世界はきれいごとだけでは済まない、無言の大きな力には黙って従うしかないという風潮だった昭和の頃のものなのか、それとも今でも残っているのか? 時代ではなく、単に個人の考え方の違いだけということなのか?
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それはともかく、ここではそれが当たり前という前提で話がすすむので、チャンスをゲットするには更にプラスアルファの要素が必要だった。それは何かというと・・・
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映画のトーンはちょっと鬱屈した感じなのだが、薬師丸ひろ子が初々しいので、ちょっと救われた感じ。中盤で話が急展開し始めると、ぐいぐい引き込まれて行きます。終盤の現実世界の出来事と、舞台劇の世界が重なってくる演出は良かったです。
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中途半端な恋人役の世良公則もまぁ良かったかな。でも女優として成功したら別れるという条件でつきあう彼ってアリか? (・_・) フムフムと素通りしたが、よく考えるとなんだかおかしい。だからラストの別れのシーンも、涙目の薬師丸ひろ子も、なんだか不自然。なにやってんだこの二人? って感じでした。
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お笑いでよく取り上げられる「ぶたないで!私、女優なんだから」の元祖シーンは決して笑うところではありませんでした。
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作品中エピソードで一番強烈だったのは何と言っても「腹上死」。できうる限りいろんな死に方を想像しても、これ以上したくない死に方は無いな。