YokoGoto

ローリングのYokoGotoのレビュー・感想・評価

ローリング(2015年製作の映画)
3.4
ダメ人間が、とことんダメ人間であるコメディ。(笑)
いや、一見コメディではないようシリアスな作品にみえるが、恐らく喜劇であろう。(笑)

冒頭、70年代か80年代の森田芳光監督作品のような、懐かしいレトロな邦画のように始まる。画面も暗く、気の抜けたようなアナログ風の音楽にのって、カメラが横スクロール。
この横スクロールこそが、ローリングなんだろう。

通常、転落人生というと、高いところから低い所に転落するが、本作の場合、横にころがって転落していく。(笑)つまり、ダメな過去から、ダメな現在を経て、ダメな未来へと向かっていくという、実に皮肉たっぷり。

とにかく、キャバクラ嬢のミハリ役の柳英里紗さん。

『チチを撮りに』の時も良かったが、本作もすごい。
監督が、彼女を使いたくなる訳が分かる気がする。独特な雰囲気を醸し出しながらも、わざとらしくないし、何よりここまでやってくれる若手女優もいないはず….。

全体的には、ノワール感を醸し出しながらも、全体を喜劇にしたてあげ、社会の隅っこを描いている感じは面白かったが、若干、シナリオがついていけない感じがあった。エピソードの唐突さは狙いなんだろうが、個人的には、もっと計算された緻密な感じの方が好み。

あと、主人公の誰にも感情移入できなかったので、どうしても虚像を見ている感じが否めなかった。