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セバスチャン・サルガド 地球へのラブレターの小のレビュー・感想・評価

4.5
凄く良かった。息をのむ写真に魅入ってしまった。写真家セバスチャン・サルガドの半生を描いたドキュメンタリー。報道写真家だった彼が、自然や動物や風景を撮るようになったのは何故か。まず、そこに至るまでの写真が凄い。

写真とは光と影で構成するもの(と言っていた気がする)。その言葉のように、前半はサルガドの写真が人間の影に光をあて、人間の持つ恐ろしさを浮き彫りする。

富を上手く配分できず、自然を破壊し、自ら殺しあう人間は“地の塩”。あまりの恐ろしさに、サルガドも絶望する。

しかし、死の絶望を知った者は、生に希望を見いだすのだろうか。大いなる地球の営みに目を転じれば、人間もまた自然の一部である。地球の営みを知り、敬意をはらう。そこに生への希望が生まれるかのようだ。

植林による森林再生に尽力するサルガド。人間は“塩”にもなるけど、地を潤す“水”にもなりうるのだ。
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