ぜん

セバスチャン・サルガド 地球へのラブレターのぜんのレビュー・感想・評価

5.0
海外のドキュメンタリーが好き+京都シネマへの厚い信頼により鑑賞。

彼の視点による南アメリカやルアンダ、紛争などの写真は生々しいがどこか宗教画のように神々しい。迫力を感じた。

当時の状況を淡々と語りながら映し出される写真は「本当にこれは現実なのか?」と思わざる得ない。
まるで蟻がバッタの死骸をたかるように人間が採掘をしている写真であったり、明日もわからず途方にくれる姿であったり、それを目の当たりにし続けたサルガド氏が「もう人間は嫌だ」という境地にいくのは自然なことだ。
その後、躍動感のある動物の写真には生命への希望や強かな部分。ポジティブさに着目していることがありありと分かり、一人の写真家の死生観の変化を知ることができるドキュメンタリーであったと思う。

彼の写真集を実際に手元に取り寄せたいが、ネットでは高価だったり在庫がなかったりで売っているところをみたことごない。ぜひ所有している方がいればご一報を、と言ってしまいたくなる気持ちを理解してほしいね。ってところです。
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