カルダモン

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリーのカルダモンのレビュー・感想・評価

3.8
ハンソロのついでに世評が高めのローグワンを。
わたし個人としては温度低めの本作。
ep4の数分前に繋がる物語でも、ラストにレイアがホープを託しても、心の中では直線的に正史に結びつくことはなく。要は作劇のテンションが違いすぎることが要因だと思っている。
結局ep4の字幕を拡大解釈、映像化したに過ぎず、これを見ることによってデススターの深みが増すかというとそういうわけでもない。

この映画最大の見所はやはりデススターの完成で、スターウォーズを代表する帝国軍の象徴は今以てデザインの新しさを失っていない。スクリーンいっぱいに迫るデススターは巨大な眼のように、見るものを凍りつかせる。
設計者のゲイレンとその娘のジンを主軸にデススターを描く脚本は見事。帝国側のクレニックの描き方も味わい深く、言ってしまえばスターウォーズらしからぬ立派さだった。バケツリレーよろしく設計図のデータをバトンパスしていく展開は手に汗握る。ラストの一点に向けてパスが繋がるたびに倒れていくローグワン隊員。

しかしここで気になるのはep4に繋がる物語としてはあまりにも内容がシリアス、かつハード過ぎるという問題。
ローグワンはep4の数分前までを描いているため、ソフト化されてから自宅で連続して見るのだが、どうしてもルークやレイアやハンの世界と同じ世界を共有しているとは思えない。

単体作品としてはスターウォーズの素材を生かしているものの、やはり30年以上前に作られた本編にムリヤリ足された物語に過ぎず、ハンソロ同様、この作品が無くてもスターウォーズの魅力が半減するなんてことはない。