Kevin

キング・アーサーのKevinのレビュー・感想・評価

キング・アーサー(2016年製作の映画)
3.6
冷徹無慈悲な暴君ヴォーティガン(ジュード・ロウ)が統べる中世イングランド。
亡きユーサー王の息子であるアーサー(チャーリー・ハナム)はそんな時代の中、路地裏で仲間と協力して育った。
自分が王家の血を継ぐ者だと知らないアーサーだったが、ある日岩に深く突き刺さった名剣エクスカリバーを引き抜いたことでユーサー王の息子だと知る。
そしてそれと同時に、彼の息子だと知ったヴォーティガンに命を狙われることとなってしまう。
こうしてアーサーは彼の頼れる仲間達と共に、ヴォーティガンに立ち向かう決意をするが...。

壮大で美麗なロケーションを舞台に紡がれるアーサー王とその仲間達の伝説。
数々の題材となってきたアーサー王物語をガイ・リッチーはどのように自身のキャンパスに描くのか...
と期待半分・不安半分の心持ちで鑑賞に至った次第。

が、不安半分は全く余計なモノだった。
なんと言っても監督はあのガイ・リッチー。
彼の作品は【スウェプト・アウェイ】以外全作鑑賞済みであるし、そのどれもがハズレなしなのだから本作が例に漏れる訳がない。
所謂〝ガイ・リッチー節〟を今回も遺憾無く発揮してくれる。

テンポの良い会話劇とそれを繋ぐリズミカルなショット、歯切れの良いユーモア、キャラの立たせ方...等、彼の他作品を観た経験のある者なら「彼らしい」と思わずにいられないだろう。
例えば作戦と実行を同時進行で展開したり、主人公の生い立ちを可能な限り手早く且つわかり易く描いたりと、このガイ・リッチーらしいテンポの良さは期待通りのものを魅せてくれると保証出来る。

それならば本作の1番の目玉である〝新感覚ソード・アクション〟はどうなのかと言うと...
こちらも流石としか言いようがないほど“新感覚”なアクションを体現してみせていた。
何というか“ゲームチック”と言うべきなのだろうか、本当に今まで体験した事のないアクションシーンには大いに楽しませてもらい、感動すら覚えてしまった。
縦横無尽に駆け巡るアングルが爽快感と迫力を他作品では味わえない域へと昇華させている。

ストーリーにおける驚きはほぼ皆無だが、その穴を十分埋められるだけの映像的面白さが詰まった作品だと個人的には思う。
世界観、アクション以外にキャストもチャーリー・ハナム、ジュード・ロウ、エリック・バナ、ジャイモン・フンスー、エイダン・ギレン(+デヴィッド・ベッカム)という豪華仕様で大満足。

アーサーの大切な者達を守る意志の強さとヴォーティガンの強さへの揺るぎない渇望の激突を是非御自分の目で。

最後に、、、
邦題のふざけたサブタイトルがなくなって本当に良かった。
日本はこういう阿呆なことしすぎ。
本作とは関係ないけど【マイティ・ソー:バトルロイヤル】じゃねえよ。頭わいてんのか。
Kevin

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